登記は司法書士の専門分野! 不動産登記の手続を依頼するメリットについて
不動産登記とは、土地や建物に関する物理的な状態や権利関係を公に示すための制度です。
取引の安全を図るなど社会的な意義も持ちますし、個人の財産を守るためにも重要な役割を果たしています。
そこで自宅を購入したときなど不動産に関する取引をした場合や相続で不動産を取得したときなどには、不動産登記を行います。
登記申請の手続は所有者自身が行うこともできるのですが、不備があると自らの権利を守ることができず、大きな財産を失うリスクにさらされます。
そこで登記については司法書士に依頼することが推奨されます。
当記事でもその理由について触れ、不動産登記を司法書士に依頼するメリットとして紹介をしていきます。
不動産の購入・売却手続がスムーズになる
不動産の購入や売却などの取引を行う際、司法書士は重要な役割を担います。
売買契約自体は売主と買主の合意により成立しますが、名義変更として登記の手続がその後必要です。
登記をするためには契約当事者や不動産業者から資料を集めて、契約書の確認を行い、法務局に提出する各種必要書類も準備していかないといけません。
場合によっては現地での調査も行います。
登記のためにしないといけない作業はたくさんあり、司法書士がついていないときはすべての作業を当事者が進めることとなります。
しかし司法書士に依頼しておけば契約当事者が負う負担を最小限に抑えることができるでしょう。
金融機関とのやり取りも楽になる
マイホームの購入にあたっては金融機関から融資を受けることもあるでしょう。
その際、金融機関は万が一に備えて債権回収ができるよう、不動産へ抵当権を設定することを求めてきます。
抵当権の設定にも登記が必要で、司法書士がついていると手続がスムーズになります。
また、不動産取引に際して抵当権の抹消手続を行うケースもあります。抵当権や賃借権がついていない所有権として移転する必要があるときは、当事者間で抵当権の抹消手続も進める必要があり、その手続のために必要書類の準備なども進めなくてはなりません。
不動産の相続手続がスムーズになる
土地や建物などの不動産を取得するきっかけは売買だけではありません。
不動産を持っていた親や配偶者などが亡くなったとき、相続により取得することもあります。
このときもやはり名義変更のために登記を行う必要があります。
遺産分割によって取得者が決まったのであれば遺産分割協議書を証明書として使って登記申請を行いますし、遺贈により取得することになったのなら遺言書を証明書として使って登記申請を行います。
その他にも、元所有者である被相続人が亡くなった事実を戸籍謄本等によって示す必要があります。
売買取引とは異なる準備が必要ですが、司法書士がついていれば準備方法や申請方法に悩む必要はありません。登記以外にもしないといけない相続手続はたくさんありますし、相続税の申告期限などに間に合わせるためにも、円滑に登記申請を進めていくことが重要になってきます。
相続登記の義務を確実に履行できる
この「相続登記」はきちんと行われていないケースも少なくありません。
大金を支払って購入する場合とは違い、不動産に向ける意識が売買取引の当事者より低いのも原因の1つに挙げられるでしょう。
そして登記がされないことによって所有者不明の土地が増えてしまい、社会問題にまで発展しています。
こうした問題を受けて2024年4月1日からは相続登記が義務化されます。
相続で取得した不動産について登記申請を行わない場合ペナルティを受けることもありますので、注意が必要です。
ただ、「やり方がわからない」「いつまでに何をしないといけないのだろうか」と不安を持つ方も、司法書士に相談すれば悩みを解決できます。
相続登記の義務を確実に果たして、ペナルティを受けることなく過ごすことができるでしょう。
相続人の確定や遺産分割のサポートもしてもらえる
司法書士は登記のプロですが、法律家でもあります。
そして相続は法律に基づく制度であり、司法書士は相続人の調査や遺産分割協議に関する手続のサポートも行うことができます。
相続により不動産を取得する場合、相続人が困るのは登記申請のことだけではないと思われます。
その他関連する手続についても司法書士に相談することでスムーズになりますので、まとめて依頼することでメリットを最大限活かすことができるでしょう。