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土地を兄弟で相続する際の注意点

被相続人が死亡し、相続が開始すると、被相続人の財産はその死亡と同時に相続人に承継されます。この場合に相続人が1人だけであれば、その財産はすべてその相続人1人のものになります。
これに対して、子や兄弟姉妹などの相続人が複数いるような場合は、相続財産は、相続人の共有状態になります。
この共有状態は、相続人全員の話し合いがまとまって、誰かのものにすると決まる(遺産分割協議の成立)まで、いつまでも続くことになります。

 

ちなみに、「私たちは仲が良いから相続について詳しく決めなくても大丈夫。」、「口約束だけど、私がもらうということで了解をもらっているから、きちんと手続をしていなくても大丈夫。」という選択はあまり好ましくありません。
被相続人が亡くなった当初の相続人は数人でも、年月を経て、その相続人たちが亡くなると、どんどん相続人は増えていきます。

つまり、共有者が増えていくのです。


そして、これがどんな問題を引き起こすか、ご存知でしょうか?
当初の相続から年月を経て、面識のない親族を含む30人もの人数での共有状態になってしまい、気づいたときには長年住んでいた自宅建物を売ることも取り壊すこともできなくなってしまった方を私は知っています。
この自宅建物を売ったり取り壊したりするには、共有者全員の了解を取り付ける必要があるところ、面識のない親族から了解を取り付けることができなかったのです。

 

このように、共有関係でいることに大きなメリットはありません。
できるだけ早い段階で、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)をまとめて、そのうえできちんと手続をしておくことが得策でしょう。

 

また、相続した不動産を遺産分割協議によって誰が取得するのかを決める場合、その決め方には大きく3つあります。
1つ目は、各相続人の取り分に応じて不動産そのものを切り分ける、現物分割という方法です。最も分かりやすい方法ですが、たとえば、「自宅建物そのものを3等分する。」といったことが現実的でないということは容易に想像できるかと思います。
2つ目は、特定の相続人が不動産を取得する代わりに、他の相続人にお金(代償金)を支払う方法である、代償分割という方法があります。お金を支払うことになりますから、それなりの資金が必要となってきます。
3つ目に、換価分割という方法があります。不動産を売却し、その代金を各相続人の取り分に応じて分ける分割方法です。平等感があり、多くの相続人が合意しやすい分割方法ですが、いざこの方法を選ぶと、不動産の売却金額をいくらにするかで相続人全員の話がまとまらず、手続が難航することもあります。

 

不動産を相続した場合の手続である相続登記を行う際には、この話し合いでまとまった分け方を記載し、相続人全員が署名押印した遺産分割協議書が必要になります。
近い将来、罰則付きで義務化が予定されているこの相続登記は、あなたがトラブルに巻き込まれることを回避するためにも、できるだけ早く、必ず行うようにしましょう。

 

上記のとおり、土地や建物などの不動産を相続する場合、専門的な知識が必要になります。また、相続人だけで話し合うと、感情的な主張がされて関係がこじれてしまうこともあります。
相続人だけで話し合って揉めてしまう前に、中立な立場で専門知識を提供してくれる第三者に相談することも一つの方法でしょう。
当事務所は、法律に基づいた適切な解決方法をご提案させていただきます。是非一度ご相談ください。

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代表司法書士
山内 勇輝(やまうち ゆうき)
ご挨拶

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弊所は相続手続をはじめとして、不動産、会社、成年後見、裁判などの様々な手続を通じてご依頼者の皆様がトラブルに巻き込まれる前にこれを防ぐ“予防法務”を得意としております。

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所属団体
  • 大阪司法書士会(登録番号 大阪 第3747号)
  • 簡裁訴訟代理等関係業務認定 第912127号
  • 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート 会員番号6112651
経歴
  • 大阪府豊中市出身
  • 大阪府池田高校卒
  • 大阪市立大学法学部卒平成21年、吉村司法書士事務所(中央区)に入社し、金融機関、税理士、不動産事業者向けサービスなど幅広い司法書士業務を数多く担当。
  • 平成31年1月、これまでに得た経験とノウハウを生かし、へいわ法務司法書士事務所を立ち上げ、各種の取扱業務(相続手続、遺言書作成、生前対策、成年後見業務、不動産登記、動産債権譲渡登記、商業法人登記など)を通じて、依頼者が紛争に巻き込まれる前に問題を防ぐ「予防法務」に取り組んでいる。
  • 趣味は野球やゴルフ。投資にも興味を持っており、隠れた優良企業を探し出し応援することを楽しみとしている。

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